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最適化機能を使ってみよう①

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MT5の最適化はMT4に比べて様々な機能が追加され使いやすくなっています。 追加されたのはフォワード最適化、市場スキャン、結果の3D表示、他のPCを使用した高速最適化です。 最適化は「ストラテジーテスター」の「概要」タブから実行します。 4つのアイコンすべて同じ「設定」タブに飛びます。 ・最適化を完了 ・・・ 通常の最適化 ・遺伝的最適化 ・・・ 遺伝的アルゴリズムを使用した最適化 ・フォワード最適化・・・ 一定期間で最適化を行い残りの期間でフォワード計測を行います。 ・市場スキャン ・・・ 気配値表示に表示されているすべての銘柄で最適化を実行します。 「設定」 ・銘柄 すべての[気配値表示]銘柄が選択できます。 ※バックテストでここに「すべての[気配値表示]銘柄」を選択すると、自動的に最適化(市場スキャン)になります。 ・フォワードテスト 一定の期間で最適化を行い残りの期間でフォワード試験をします。 1/3の場合は2/3で最適化を行い残りの1/3のフォワード結果を表示します。 バックテストと最適化の違いは一番下の「オプティマイズ」です。 ・無効化 ・・・ バックテスト ・完全アルゴリズム(遅い)・・・最適化(最適化の完了) ・遺伝的アルゴリズム(速い)・・・遺伝的アルゴリズムを使った最適化(遺伝的最適化) ・気配値表示で選択されたすべての銘柄・・・完全・遺伝的アルゴリズムと異なりすべての銘柄を対象に最適化をします。銘柄の種類は「気配値表示」に表示されているかどうかで決まります。(市場スキャン) ※遺伝的アルゴリズムは試験数が少なくて済むために結果は早く表示されますが、総当たりの完全アルゴリズムほど精度がよくありません。 最適化の結果 最適化の結果はオプティマイズ右横の項目がY軸になります。 ・結果グラフ デフォルトの「残高最大」の結果 画像を右クリックすることで表示スタイルを選択できます。 ・1Dグラフ 項目ごとの優位性を見つけるのに便利です ・2Dグラフ MT4の最適化の表示に似ています。MT4ではその枠内の最大の数値にあった濃淡で表示されていましたが、グラデーションを付けて枠ごとの幅(最小~最大)がみえるようになっています。 ・ 3 Dグラフ MT4にはX,Yの2次元表示に色の濃淡で3Dを表示していましたが、MT5で

ストラテジーテスターでトレードを検証しよう

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 MT5のバックテストは「ストラテジーテスター」画面で行います。 ショートカットはMT4の「テスター」と同じCTRL+Rです。 MT4に比べて、バックテスト・最適化ともに高速化され所要時間が短くなっています。  概要 新しい概要画面はアイコン化され見やすくなりました。 単一(バックテスト)・可視化(ビジュアルモード)・ストレスと遅滞(新)・遺伝的最適化・フォワード最適化(新)・市場スキャン(新)は同じ設定タブが開きます。設定タブでも選択することができます。 インディケータは動作確認をビジュアルで見ることができます。 数値計算はOnTick()を使用せずOnTester()の結果を表示しますが、自動売買としての使用頻度は皆無です。 また「前の最適化の結果を確認」では以前に行った最適化の結果を確認することができます。 MT4では過去の結果を見るには膨大な時間をかけて再試験をするしか方法がありませんでした。この機能は大変便利です。  設定  インディケータ  バックテストをするEAを選びます 右にはメタエディター起動ボタンと過去の設定を読み込むボタンが付いています。 ※過去の設定読み込み  銘柄 通貨ペア 時間足を選択します。 $ボタンで選択した銘柄の詳細を表示できます。  フォワードテスト 過去の一定期間をバックテスト 残りをフォワードテストとして表示されます。 バックテストをするときには分割表示をしない「キャンセル」を選択しましょう。  遅滞 MT4のバックテストでは1分以下の時間の概念がなくティックが順番に並んでいるだけでしたが、MT5では時間の概念が追加され遅延を発生させることができます。 遅滞ゼロ、PING値、1-1000ミリ秒、ランダム遅滞、カスタム遅滞があります。 発注の際にはMT4から証券会社までにかかる時間、証券会社で約定する時間が必要です。PING値はMT4から証券会社までに必要な時間の往復分です。 理想的な遅滞時間は Ping値 ÷ 2 + 約定する時間(200-400ms)と考えられます。  モデル  全ティック MT4と同じ1分足を元に作成したティック 現実のティックをうまく再現しています。 (参照:MQL5.com)  リアルティックに基づいたすべてのティック MT5に新たに追加された実際の

移動平均線をマスターしよう②

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今回はMT5にあらたに追加されたAMA(適応型移動平均)とFAMA(フラクタル適応移動平均)を紹介します。AMA、FAMA共にEMAの係数の計算方法を変更したものです。 「MT5に追加された曲線」 DEMA(二重指数移動平均線) TEMA(三重指数移動平均線) AMA(適応移動平均) FAMA(フラクタル適応移動平均) ☆AMA(Adaptive Moving Average/適応型移動平均) 計算式 AMA=AMA[1]+α×(Close[0]-AMA[1]) αは価格が大きく変化すると小さくなります。 計算式は非常に難解です。Adaptiveは適応型と訳されますが、ここではボラティリティに合わせて動きを調整するという意味です。 大きな価格の動きが出た時にはα値が小さくなりAMAの値はあまり動かない計算式になっています。 期間9の移動平均線 赤:AMA 黄色:LWMA AMAはトレンド発生時にはLWMAよりも価格に近く、レンジ形成時には多少の動きがあってもあまり変化しません。 線はあまり滑らかではありません。 上昇下降のトレンドを確認するとダマシが発生しますので不向きです。 有効な使用方法は現在の安定した価格の確認に使用、もしくは期間を長めの20や30に設定しゴールデンクロス、デッドリークロスの長期線として使用する方法です。 ☆FAMA(Fractal Adaptive Moving Average/フラクタル適応移動平均) 計算式 FAMA=FAMA[1]+β×(Close[0]-FAMA[1]) βは価格が大きく変化すると小さくなります。 計算式はAMAと同じように見えますが係数α、βの求め方が異なります。 AMAの係数αは短期EMAと長期EMAから計算しますがFAMAはフラクタル次元から計算します。 期間14の移動平均線 赤:AMA 水色:FAMA AMAに比べFAMAは現在の価格の近くに壁画されます。 価格の中心線として乖離を測るには非常に便利です。 期間14の移動平均線 赤:AMA 水色:FAMA 上のようなレンジ相場でもAMAに比べ価格の中心に近い点に線が描かれます。 方向の反転時にはAMAよりも遅れることがあります。 期間14の移動平均線 赤: AMA  水色: FAMA   価格の急激に動く時には滑らかさが失われます。   FAMA

移動平均線をマスターしよう①

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MT4には4つの移動平均線(Moving Average)がありましたが、MT5にはさらに4種類の移動平均線が追加されています。 MT4の移動平均 SMA(単純移動平均) EMA(指数移動平均) SMMA(平滑移動平均)※期間5のSMMAと期間9のEMAは近似値 LWMA(線形加重移動平均) 移動平均線は価格が動くと実際の価格から離れます。 SMAは過去と直近の価格を同じように扱っていますが、EMAやLWMAは最近の価格を重視することで実際の価格からの乖離を減らしています。 また、価格が方向転換をした時にSMAより早く反応するのがEMAです。 SMMAは曲線を滑らかにします。滑らかな曲線はだましを回避する効果がありますが期間を変更したEMAと同じ曲線になりますので実用的ではありません。 期間20の移動平均線 黄:SMA 赤:EMA 青:LWMA ●MT5に追加された曲線 DEMA(二重指数移動平均線) TEMA(三重指数移動平均線) AMA(適応移動平均) FAMA(フラクタル適応移動平均) 今回の「移動平均線をマスターしよう①」ではDEMA、TEMAを紹介します。 ☆DEMA(Double Exponential Moving Average/二重指数移動平均線) 計算式 DEMA=EMA×2 - EMA(EMA) EMAを2倍したものからEMAをもう一度EMA計算した値を引きます。 DEMAはEMAよりも価格が反転したときの反応が早くなります。 また、実際の価格に近い線を描きます。 曲線はDEMAよりもEMAが滑らかになります。 期間20の移動平均線 赤:EMA 緑:DEMA ☆TEMA( Triple Exponential Moving Average /三重指数移動平均線) 計算式 TEMA = EMA×3-EMA(EMA)×3+EMA(EMA(EMA)) 式は非常に複雑ですが実際の価格に近付けるためにDEMAと価格の差の平均をDEMAに加えています。 価格に近い線を描いているのはTEMA、DEMA、EMAの順です 価格が反転したときの反応の速さは同じくTEMA、DEMA、EMAの順です 線の滑らかさはEMA,DEMA,TEMAの順になります。   期間20の移動平均線 赤:EMA 緑:DEMA 黄:TEMA   l   移動平