移動平均線をマスターしよう②

今回はMT5にあらたに追加されたAMA(適応型移動平均)とFAMA(フラクタル適応移動平均)を紹介します。AMA、FAMA共にEMAの係数の計算方法を変更したものです。

「MT5に追加された曲線」

DEMA(二重指数移動平均線)

TEMA(三重指数移動平均線)

AMA(適応移動平均)

FAMA(フラクタル適応移動平均)



☆AMA(Adaptive Moving Average/適応型移動平均)

計算式 AMA=AMA[1]+α×(Close[0]-AMA[1])

αは価格が大きく変化すると小さくなります。


計算式は非常に難解です。Adaptiveは適応型と訳されますが、ここではボラティリティに合わせて動きを調整するという意味です。

大きな価格の動きが出た時にはα値が小さくなりAMAの値はあまり動かない計算式になっています。


期間9の移動平均線 赤:AMA 黄色:LWMA

AMAはトレンド発生時にはLWMAよりも価格に近く、レンジ形成時には多少の動きがあってもあまり変化しません。
線はあまり滑らかではありません。
上昇下降のトレンドを確認するとダマシが発生しますので不向きです。
有効な使用方法は現在の安定した価格の確認に使用、もしくは期間を長めの20や30に設定しゴールデンクロス、デッドリークロスの長期線として使用する方法です。

☆FAMA(Fractal Adaptive Moving Average/フラクタル適応移動平均)

計算式 FAMA=FAMA[1]+β×(Close[0]-FAMA[1])
βは価格が大きく変化すると小さくなります。

計算式はAMAと同じように見えますが係数α、βの求め方が異なります。
AMAの係数αは短期EMAと長期EMAから計算しますがFAMAはフラクタル次元から計算します。
期間14の移動平均線 赤:AMA 水色:FAMA

AMAに比べFAMAは現在の価格の近くに壁画されます。
価格の中心線として乖離を測るには非常に便利です。

期間14の移動平均線 赤:AMA 水色:FAMA

上のようなレンジ相場でもAMAに比べ価格の中心に近い点に線が描かれます。
方向の反転時にはAMAよりも遅れることがあります。

期間14の移動平均線 赤:AMA 水色:FAMA

 

価格の急激に動く時には滑らかさが失われます。

 

FAMAはAMAよりも実際の価格の中心に描かれます。

その特性を生かし現在の価格との乖離を測るのには有効です。

滑らかさはありませんので価格の上昇下降を確認するには不向きです。

また、急激な価格の動きがあった時には価格に追従しすぎることがあります。

 

 

前回ご紹介しましたDEMA,TEMAはEMAを複数回行うものでしたが今回のAMA,FAMAは係数の考え方を変更したものです。

過去から未来に滑らかに描かれる線形は歪になりましたが、目的に応じて非常に便利に使用することができます。

MT5に新しく追加された移動平均線を使って取引を有利にすすめましょう。



コメント

このブログの人気の投稿

最適化機能を使ってみよう①

ストラテジーテスターでトレードを検証しよう

移動平均線をマスターしよう①